地学 JOGMEC「金属資源講話」開催
2018.10.31
10月30日、独立行政法人 石油天然ガス・金属鉱物資源機構(略称JOGMEC)の方を本校にお招きし、金属資源に関してご講話いただきました。内容は、「金属資源の世界」がどのようになっているのか、日本への金属資源の安定供給のためにどのような取り組みがなされているのか、金属資源の今後の展望などについてです。理系・文系の進路選択を目前に控え、将来の職業についても考えを深めている高1の希望者を主な対象として実施しました。
JOGMECは、エネルギー・金属鉱物資源を安定的・永続的に供給することを使命として日本政府により設立された、経済産業省所管の独立行政法人であり、まさに日本の資源開発の最先端を担っている組織と言えます。今回のご講話では、海底資源探査の現状についてもお話しいただき、1500mの深海底から試験的に採掘した熱水鉱床のサンプルなど、鉱石サンプルもいくつかお見せいただきました。下の感想からもわかる通り、生徒にとっては、知的な刺激のとても多い、有意義な時間になりました。この場をお借りして、ご講話いただきましたJOGMECのお二人にお礼申し上げます。
ご講話の様子。みな真剣に聞いています。
ご講話の後に質疑応答の時間も設けていただきました。活発な質問があり、関心の高さがうかがえました。
持ってきていただいたサンプルを見る生徒。博物館でも見られないような貴重なものもあり、目を輝かせていました。
以下に生徒の感想の一部をご紹介します。
・日本は資源に恵まれていないと思っていたが、実は海洋資源が豊かであり、しかもその技術開発が世界の先端を行っていることに驚いた。海底1500mという未知の世界で、技術的な部分もまだまだ試験段階ではあるが、これがうまくいけば日本が経済的に発展するだけでなく、世界の資源不足に大きな意味を持つと思う。開発途中であり、将来に期待できる話だったのでとてもワクワクした。
・さまざまな資源に関する問題が存在していることを聞き、資源の大切さを改めて確認できたとともに、資源のことを考えるには、商業のことを考えなければならないことも強く感じた。
・これまで、資源のうちでも化石燃料に目が行きがちでしたが、金属資源の現状と金属資源開発について知り、身近な資源として金属資源にも注目していきたいと思えました。
・金属の採取には、露天掘りのイメージが強かったが、海洋からも採っているということに驚いた。海が広いということはわかっていたが、海には多くの可能性があり、将来的にも重要になってくるということが分かった。
・リチウムの消費量予測が並々ならぬ増え方をすることが印象深かった。また、選鉱に泡を使うことや、直に硫酸をかける銅山があることにも驚いた。
・英語をはじめ、法学や国際社会の勉強も地学に繋がり得るというのは驚きました。将来どのような職に就きたいかは未だ漠然としていますが、いずれにせよ、やはり様々な分野に精力的に取り組まなければならないと改めて感じました。
・金属資源の開発には、環境問題であったり、コストパフォーマンスの問題など、様々な問題が関係しているということを聞き、単純に技術があればよいという問題ではないのだとわかった。
・コバルトリッチクラストが100万年で2~3㎜しか成長しないと知り、自然のスケールの大きさに圧倒された。